しおみん（ @mark4033 )企画屋です。Facebookが発行するLibra（リブラ）とは？本当の意味で、世界の金融を変えるかも知れませんので、ここにまとめておきます。
Facebookが発行するLibra（リブラ）とは何？
まず、いきなりLibra（リブラ）といわれても、何のことか解らないと思いますが、一言で言えば、リブラとはFacebookが作る全世界で使える仮想通貨です。
仮想通貨といえば、ビットコインをなどの乱高下する通貨をイメージしやすく、投資や投機目的の通貨のイメージが強いと思います。そして、投資や投機を目的とすると、需要と供給により通貨の価値の変動が激しい印象があると思います。そして、その辺の仮想通貨のことを日本政府では2018年12月「暗号資産」という呼び方に統一すると発表されております。要は通過というよりも、株と同じで資産を作る様なものと定義されたわけです。
しかし、facebookが作るLibra（リブラ）は、乱高下する資産通貨ではなく、もう少し安定した通貨を目指し、どちらかといえば、TポイントやDポイントみたいな換金性の高い通貨のイメージで作られております。まだ、発表されていませんが、例えば、１Libra（リブラ）＝１円で換金される、価格変動が起こりにくい設計を取り入れており、どこでも使えるということです。まずはこの価格変動の起こりにくい仕組みについて見ていきましょう。
Facebookが発行するLibra（リブラ）の特徴
ビットコインとどう違うのか？
facebookが作る仮想通貨、Libra（リブラ）は、まずはビットコインと、どこが違うのか？ということをご説明します。それは、ビットコインは、単なる需要と供給の関係で価格が変動するのに対して、Libra（リブラ）は、ほとんど変動しない設計にするそうです。なぜ、そうなるのか？という、Libra（リブラ）には発行する上で裏付けされる資産があるからです。これをfacebookが担保するというものです。facebookには、今、登録ユーザーが23億8000万人（2019年６月時点）います。使う、使わず関わらず、これらの人が共通する通貨が現れる可能性があるというのは、夢のある話と思いませんか？
世界の財務関係者からは、袋たたきにあっております。
2019年６月に実施された「G20福岡財務大臣・中央銀行総裁会議」でも、この話題が出ましたが、袋ただきにあっております。なぜなら、通貨発行は国家の重要な権限であるからです。その権限を一民間企業が実施して良いものか？という意見が沢山出ました。また、アメリカや中国の様な大国であれば、すぐに米ドルにとってかわるということはないでしょうが、人口数十万人の小国であれば、自国の通貨よりもLibra（リブラ）の方が信用が高ければ、そちの通貨を使う可能性だって否定できません。
逆にVISAやペイパルなど決算会社は協力会社として名をつられている
政府の動向とは、逆にVISA、マスターカード、ペイパルなどの決算会社は、協力会社として名をつられています。みんな勝ち馬には乗りたいのでしょうね。彼らにしてみれば、もし、Libra（リブラ）が全世界に普及すれば、国家が発行する通貨よりもLibra（リブラ）に紐付けされる方が安定するなら、そちらの方を選ぶでしょうから。当然のこととしてうなずけます。
Libra（リブラ）が目指すは世界銀行（共通通貨）です。
どうも話が大き過ぎて、ピンと来ない方もいると思いますが、Libra（リブラ）が目指すは、どうも世界銀行の通貨みたいなイメージです。日本にいると、じゃ都銀や郵貯みたいなもので良いじゃん、という話になりがちですが、世界には、銀行口座を持たない人が17億人もいるそうです。日本でも銀行口座はなくても、LINEのポイントは持っているという人がいそうですが、そういう人も世界共通の通貨、Libra（リブラ）を持てば、生きていけるということです。
Facebookが発行するLibra（リブラ）の良い点
まずは、良い点を３つ書いておきます。
国際送金の手数料が要りません。
これ、やってみたら、解りますけど、銀行間の国際送金の手数料ってやたらと高いです。私がAirbnbをやり始めた2014年に情報があまりなかったので、数回、国際送金でAirbnb社から入金してもらったのですが、その手数料はなんと4,000円。1.2万円送金してもらうのに4,000円とられて、8,000円入金がありました。後から、UFJから手数料頂戴しましたの紙切れが送られてきたことがありました。それほど、国際送金は高いです。これをLibra（リブラ）を活用すると限りなく０円にすることができます。
例えば、日本に出稼ぎに来て、自国の家族に送金が必要な方は、絶対にその方がお得なしくみとなります。また、自国の家族が銀行口座を持っていなければ、もっと手間と時間とお金がかかる現金書留みたいな手法になるのが、今日の実情です。
為替手数料が必要ありません。
海外旅行にいくたびに、円をドルに変えたり、またドルを円に戻したりするたびに銀行に為替の手数料を搾取されます。もし、Libra（リブラ）という世界共通の通貨があれば、これら搾取されることはありません。中には、世界の通貨を愛おしく感じる方もいるかも知れません。しかし、それも慣れです。音楽業界も過去、レコードのジャケットが必要という時代がありましたが、今や曲ごとのダウンロード時代。通貨もアナログなものからデジタルなものに変化する時代なのでしょう。
Libra（リブラ）特典もあるでしょう。
今の日本のPaypayやLINEpayなどに見られる様に、Libra（リブラ）を使うと特典が付きますよということは当然考えられるでしょう。Libra（リブラ）で決済すると全世界のセブンイレブンで実質20％オフ。みたいなキャンペーンもあるかも知れません。飛行機会社でスターアライアンス加盟の全飛行機会社の航空券５％オフなんていうキャンペーンも出てくるかも知れません。いずれにしても、それ位の規模の話として、facebookは考えていると想定できます。また、facebookから誕生日に10Libra（リブラ）プレゼントということもある得るかも知れません。
※Libra（リブラ）自体は2020年にサービスインの予定ですので、今年はまだ静観となりますね。
Facebookが発行するLibra（リブラ）の悪い点
良いことばかり書いてきましたが、悪い点も書いておきます。
マネーロンダリングされやすい。
お金に色はついていないとは、良く言ったもので。悪いお金も良いお金も「お金はお金」です。日本で悪いことをして、海外に資金を流したら、証拠が残りにくく犯罪の温床になります。それが、全世界共通の仮想通貨にすると、マネーロンダリングされやすいと言われております。また、規模が大きくなるというと、犯罪者にとっても美味しい話と映ると、犯罪がおきた時の被害総額も相当大きいものになると予想されます。
自国の金融政策が効かなくなる可能性がある。
冒頭に書いた様に、通貨は国家戦略で発行されています。その量も国家戦略の重要なファクターです。簡単には自国通貨量を増やすとインフレ基調になり、逆に通貨量を減らすとデフレ基調になるといわれております。これにより政府は自国の経済政策を一般的にはコントロールしております。しかし、これにLibra（リブラ）みたいな通貨が加わると自国の経済をコントロールしずらくなります。それがLibra（リブラ）が、世界の政府機関から総攻撃されている最大の理由です。
Libra（リブラ）のまとめ
facebookが目指すLibra（リブラ）というのは、個人レベルでは良い点が多く、国家レベルでは良くない点が多い様な気がします。また、Libra（リブラ）が世界銀行的に動こうとすると、必ず、他社が追随してきます。特に中国圏との対立構造になると世界的な競合が生じる可能性も高いと考えられます。そういう意味では、Libra（リブラ）の動きは、ここ一年は本当に目が離せない動きになることは間違いないのでしょう。
これだけ、世界がボーダレス化している世の中。金融もボーダレス化していく動きが、これで始まったのかも知れないと思うとワクワクもしてきますが。
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